4.玉川上水と新宿
江戸時代初期の江戸市街地の発展と人口の増大は、神田上水と赤坂溜池の水(溜池上水)だけでは給水に不足をきたすまでになります。
そもそも神田上水は井の頭池を水源とし,それに若干の河川水が加わるだけなので水量は必ずしも多いとはいえず、日本橋以南への給水は水量的に困難であり、とくに下町地区への給水は技術的にも困難を極める状態に陥りました。
このため4代将軍家綱は上水拡張の計画を立て、町奉行神尾備前守に、多摩川を水源とする上水の開設を命じます。
神尾備前守は、玉川庄右衛門・清右衛門の兄弟に多摩川からの上水の調査を命じ、兄弟は各地を調べた結果、羽村から江戸への導水計画を立て、9000両の工事費をもって1653年(承応2)4月4日に着工します。
玉川兄弟は同年11月15日に現在でも困難な7ヶ月という短期間で、四谷大木戸までの10里30町、標高差92mを完成させるという偉業を成し遂げます。これが玉川上水です。
実はこの玉川上水は西新宿のすぐ脇を流れていました。どこに流れていたか想像がつきますでしょうか?
「百聞は一見に如かず」。
終戦直後の新宿の航空写真で確認してみてください。「出典明示 国土地理院蔵、米軍撮影の空中写真(昭和23年撮影)」★印は現在のショールームの所在地です。
この写真には甲州街道に沿って玉川上水がはっきりと写っています。今では暗渠化され見ることはできません。
「サンウエーブ新宿ショールーム」 「ヤマハリビングテック新宿ショールーム」の裏の道は実は玉川上水だったのです。航空写真にある淀橋浄水場は玉川上水が流れていたことでこの地に設置された施設で、この大規模な敷地跡が現在の高層ビル街なのです。玉川上水がなければ現在の高層ビル街はなかったのです。
現在でも、そこに玉川上水があったことは掲載した写真などの遺構から知ることができます。サンウエーブ新宿ショール裏には葵橋。ヤマハリビングテック新宿ショールーム裏には千駄ヶ谷橋。「クリナップ新宿ショールーム」前には天神橋。文化女子大前には写真のレンガ造暗渠のモニュメントがあります。
甲州街道沿いのショールームにお越しの方は、是非お立ち寄り下さい。
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